鈴木 洋(神戸大学)・窪田 光宏(名古屋大学)・大川原 真一(東京工業大学) |
化学工業において熱現象を解明し,これを高度制御する技術は,新規材料の創成やプラントの緻密な省エネルギー化等の熱利用強化に関連し,非常に重要な課題である.この革新的な熱利用強化を行う上で,ナノスケール,マイクロスケールにおける熱現象の理解が重要視されつつある.近年熱に関連する学際分野では,流体における非フーリエ現象,微視的領域のフォノン輸送,散逸構造論やパーコレーション理論の応用工学等,新たな熱移動現象論が構築されつつある.特に化学工業界では,未利用熱利用に関連して,熱の供給・需要の時空間をマネージングする技術に注目が集まっているが,その実現のためには,熱の需給ニーズの正確な把握と既往熱利用技術のブラッシュアップに加え,工学的観点においてかかる熱現象に関する概念を螺合的に見直し,応用展開を図っていくことが急務である.
本シンポジウムでは,ナノマイクロスケールの熱現象解明によって,スパイラルアップ的な熱利用強化を行う研究最最前線の研究に取り組む化学工学・機械工学および応用物理学の研究者・技術者に招待講演及び依頼講演をお願いし,熱利用強化の将来像を探る.