山口 猛央(東京工業大学)・上宮 成之(岐阜大学)・井上 元(京都大学) |
2014年12月、燃料電池自動車の販売が開始された。しかしながら水素ステーションの数も限られ、限定的な販売となっている。燃料電池自動車の普及には、電池の信頼性、低コスト化と、さらに水素ステーションの普及も課題となる。電池の高性能化・高耐久化の課題、水素製造技術の課題、ステーション側と電池側双方からの水素純度の課題など、全体を俯瞰して、技術全体のボトルネックを解決していかなければ普及は進まない。しかしながら、水素と燃料電池の研究者は分かれており、双方の課題を理解する機会は少ない。さらに、燃料電池だけを考えても、膜、触媒、電気化学反応、物質移動、伝熱など、多くの学会に専門家が散らばっているのが現状である。本シンポジウムでは、水素技術、燃料電池技術の両方の分野で、それぞれの分野の最先端を研究しているグループからの発表を募り、水素・燃料電池自動車技術全体の課題と新しい考え方を理解するとともに、将来の水素化社会も見据えた新しい技術課題、斬新な解決策を考える機会としたい。