産業セッション


2016年3月14日(月) 13:00~17:00
2016年3月15日(火) 10:00~17:00
関西大学 千里山キャンパス

企画担当
産学官連携センター産業セッション委員会
関西支部


 前回第80年会にて、初の試みとして「産業セッション」を開催いたしました。産業人が自ら企画し、産業界において関心の高いテーマを設定することにより、多くの産・学・官関係者が来場され非常に盛況でありました。開催後のアンケートでも毎年の開催を望む声が大きく、今回も同様の趣旨、即ち「産業人が自ら企画し、産業界において関心の高いテーマを自ら集めた産業セッション」を開催することとなりました。産業界が主ではありますが、官庁や大学・研究機関や産学官連携等幅広い領域から、最新情報や日本化学産業の方向性や企業における基本的化学工学単位操作の最新検討事例等が多数発表されますので、前回同様多数の方のご参加をお待ちしております。

 また、ポスターセッションにおきましては、飲み物・軽食を準備いたしますので、ポスター発表者との質疑応答ならびに来場者との交流も含め有意義な時間をお過ごしください。


 大会二日目に二つの口頭セッション、三日目に三つの口頭セッションと二つのテーマからなるポスターセッション、合計6つのセッションが開催されます。

 なお、前回同様、産業セッション要旨集(冊子)を当日無料で配布いたします。数に限りがございますが、是非ご活用ください。また、一部のセッションでは、さらに詳細な資料を有料で配付することもございますので、ご承知おきください。


各セッションの発表時間、発表順序は変更することがあります。


口頭セッション

新規・既存産業領域に見る技術イノベーション

<企画担当> 関西支部

主な聴講対象者:R&D担当者

2016年3月14日(月) [大会二日目]
13:40~17:40

既存の産業領域における技術イノベーションおよび新産業において期待される新技術などについてのセッションです。具体的には、自動車産業、医療技術、エネルギー産業分野等における、最先端の革新的技術イノベーションに関して発表いただきます。

新たな創薬パラダイムの台頭に向けた創薬支援戦略 国立研究開発法人
日本医療研究開発機構
榑林陽一氏
生命科学の裾野が急速に広がってゆく中で、様々な疾患の原因が遺伝子レベルで解明されるようになり、医薬品の研究開発は疾患生物学(Disease Biology)をベースにした新たなパラダイムへと変化しでいる。この創薬パラダイムシフトによって、2000年初頭から長期間にわたって続いた医薬品の研究開発における生産性の停滞は、がん領域および稀少疾患領域を中心に、ここ数年の間に顕著な回復傾向を示している。しかし、ゲノム情報の活用に遅れをとり、基礎研究を行う大学と本格的な研究開発を進める製薬企業をつなぐバイオベンチャーが発達していない日本においては、欧米に比して、医薬品の研究開発におけるパラダイムシフトへの適応に後れを取っているのが現状である。日本の創薬力強化を加速するためには、産学官連携のより一層の深化・拡大を進める必要がある。本講演では、最近の医薬品の研究開発におけるパラダイムシフトをうけて、公的創薬支援事業が取り組むべき課題について概説する。
化学工学者としての再生医療への貢献 大阪大学
紀ノ岡正博氏
再生医療や細胞治療の実現に向けて,化学工学者としての取り組みを紹介する.特に,細胞製造を技術構築としてのモノづくり,人材育成としてのヒトづくり,そして,規制・国際標準化への展開としてのルールづくりの観点から,コトづくりを概説し,細胞製造における問題提起,その解決するためのプロセス構築について紹介する.その際,製造における上工程,下工程さらには,搬送,病院内での処理を含む外工程において,我々が取り組んでいる製造工程(フレキシブルモジュラープラットフォーム) の現状を示す.
水素社会に向けた現状と今後の展望 岩谷産業(株)
宮崎 淳氏
燃料電池自動車の販売開始により水素エネルギー社会に向けてのスタートラインに立ったと言われている。しかしその普及を進めていくには、水素ステーションの整備が不可欠である。国の助成を受けながら2013年より商用水素ステーションの整備が開始され、2015年度末には80箇所程度が完成する予定となっている。
岩谷産業も水素インフラ事業者として積極的にインフラ整備に取り組んでおりますが、当社の水素ステーション設備の概要・特徴及び、整備の状況についてご紹介する。特に当社が推進しております液化水素については、液化水素製造プラントも含めた液化水素によるインフラ構築の有効性を中心に、水素エネルギー社会実現に向けた現状と解決すべき課題、今後の展望について述べる。
藻類を用いた油生成 電源開発(株)
松本光史氏
講演要旨をご覧ください
(2/28に参加登録者限定web公開予定)
精密金型のスマート設計・製作システム
~CAD,CAM,CAE,CAT,CAFの連動化~
オムロン(株)
中村憲治氏
3Dデジタルデータを一気通貫による金型5C製作システム(CAD,CAM,CAE,CAT,CAF)と実測データの見 えるかにによるシュミレーション 精度向上による金型製作リードタイム短縮の取り組み事例を紹介致します。
スカイアクティブ開発 マツダ(株)
山川正尚氏
2030年時点でもハイブリッド車を含めて自動車の多くは動力源として内燃機関を搭載していると予測されています。そのため、環境・エネルギー問題に対して内燃機関の効率改善は必要不可欠です。そこで、マツダはベースとなる内燃機関において理想的な燃焼を追求する取り組みを開始し、その第一ステップとして圧縮比に着目した高効率なSKYACTIVエンジンを開発しました。そして、2011年にコンパクトカーに搭載してハイブリッド車並の燃費を実現し、業界全体にも内燃機関を見直す動きが広まりました。本講演では、その技術について主にご紹介するとともに、マツダの描く次のステップのエンジンの高効率化技術についてもあわせてご紹介したいと思います。

化学関連産業の経営課題  
-IoTの現状と将来 化学関連産業における課題-

<企画担当> 経営システム研究委員会

主な聴講対象者:経営層、管理者層

2016年3月14日(月) [大会二日目]
13:40~17:40

様々な機器やモノがインターネットでつながるIoT(Internet of Things:モノのインターネット)が、新たなビジネス展開や事業創造などの点から大きな注目を集めている。 ドイツが提唱している「インダストリー4.0」(第4次産業革命)、アメリカでは民間企業を中心に製造業、ソフト産業や金融業も新たなビジネスの創造に向けた対応(インダストリアル・インターネット・コンソーシアム等)が進められており、中国でも「中国製造2015」で情報化と工業化の高度な融合の推進を進めようとしている。 一方わが国産業界でもサプライチェーンを核にモノと情報の連携を進める動きが、政府の産業政策にも取り上げられ、始まっている。 この大きな社会の変革にもつながるIoTに関する展望を、社会・生活・経済・産業などの観点から俯瞰的に把握するとともに、化学関連産業、素材産業における現状と将来について、各界から講演を頂き、それを踏まえ論議いたします。

IoTと我が国の産業政策 経済産業省
茂木 正氏
IoTの普及は、「第4次産業革命」とも呼べる変革を促進します。この変革は、事業機会、主要ユーザー、そして化学メーカーのイノベーションのあり方や生産システムのあり方に関する変化を化学産業にもたらすと考えられます。我が国化学企業が引き続き国際競争力を維持・強化していくためには、新しい事業領域の開拓、継続的な素材イノベーションのためのエコシステム構築による素材開発力の強化、次世代生産システムへの転換に重点を置いた取り組みを進めるべきと考えられます。
IoTの社会・産業に及ぼす影響 (株)三菱総合研究所
為本吉彦氏
2015年日本の産業界では、IoTブームが現出した。IoTは、1999年に当時P&GのKevin Ashtonが、SCMへのRFID適用資料の中で用いたのが初出とされている。このIoTブームは2016年も続き、現場への適用検証・実用化・普及などが進むと考えられる。これまでは、組立加工型製造業での事例が多いが、化学関連産業に代表されるプロセス型製造業においても今後、適用事例が出てくると予想される。
IoT活用による新たな価値を創出するサービスは、化学関連産業においても現れ続けるであろう。そこではこれまでにない事業戦略や戦術、ルールチェンジなどが起きる。それらが既存のビジネスモデルや商取引にもたらすインパクトや、実際に製造工程や生産管理に及ぼされる影響・変化の考え方を、類似事例と共に解説する。
プラント制御へのIoT適用~
国際標準動向および想定される適用例~
横河電機(株)
小田信二氏
プラント制御を含む製造業へのIoTの適用に関しては、Smart Manufacturingという名前で総称され、さまざまな活動が進められている。それらの活動において、たとえばドイツ政府主導のIndustry 4.0においては「標準化」が最優先項目の一つに挙げられるなど、国際標準化活動への注目が高まっている。実際に、デジュール標準を制定する機関であるIEC、ISOなどで、すでにSmart Manufacturingに関する国際標準化の議論が始まっている。本講演では、それらの国際標準化活動の動向を紹介するとともに、その適用にあたっての考え方を述べていく。
三菱電機のIoTの取り組みと活用(仮題) 三菱電機(株)
山本雅之氏
講演要旨をご覧ください
(2/28に参加登録者限定web公開予定)

開発型企業の産学官連携による成果発表 
-ものづくり日本の将来へむけた取り組み事例-

<企画担当> 開発型企業の会(関西・関東)

主な聴講対象者:R&D 管理者層

2016年3月15日(火) [大会三日目]
10:00~12:00

近年、ものづくり日本が大きく取り上げられているが、技術の伝承や技術開発成果の現業化等に課題が散見される。今回取り上げるテーマは、産学官が連携し検討している多数あるテーマの中で、成果が出ている事例で、且つ化学工学の重要性が浮き彫りになるような物を数件取り上げて発表をして頂くよう考えています。単に、合成が出来たとか物ができたということではなく、ある程度の製品化・商品化ができたものや目途がついた物などを紹介致します。

CelluloseとLigninを同時に操る
~新しいメカノケミカル制御システムの開発~
三重大学
舩岡正光氏
リグノセルロースは,その生育環境に最適化されており,その形状,内部構造,分子組成は全て異なっている。多様性とその平衡から成り立つ生態系を,構造的振れを極度に排除した工業製品の原料すなわち資源として位置付けるためには,生物素材の段階的構造収束と特徴付け(機能開発)が必須となる。さらにそれらを石油系工業原料と対比できるバイオ系工業原料プラットフォームとして整理しなければならない。ここでは,リグニンとセルロースの構造的特徴を分子セグメントという新たな切り口で捉えるとともに,構造的特徴付け(分子規格化)を行いながら両素材を逐次解きほぐす新たなシステム技術について紹介したい。
微細パール結晶の濃厚分散液の開発 花王(株)
阿部秀一氏
有機板状結晶はシャンプーにパール様の高級感を付与する目的で配合される。この有機板状結晶は乳化晶析法で濃厚分散液として製造したのちにシャンプーに配合することで、コスト、環境負荷の点で有利となる。更なる低コスト、低環境負荷の実現のためには、従来より少ない配合量で同等以上の性能が求められる。そこで結晶の微細化に着目し検討を開始した。乳化滴内での晶析は非常に複雑な現象であるが、5年間に渡り大嶋先生の研究指導を仰ぎ、数多くの実験によってメカニズムを徐々に明らかにすることで、結晶微細化のプロセスを確立した。この取り組みにより、微細化した一製品を上市し、更なる改良品の開発が進められた。
農工連携の話(仮題) 神戸大学
近藤昭彦氏
講演要旨をご覧ください
(2/28に参加登録者限定web公開予定)
日本版WET(全排水毒性)の導入に関しての取組(仮題) (株)神鋼環境
ソリューション
長谷川進氏
生物影響試験を利用した排水水質管理手法WET(Whole Effluent Toxicity:全排水毒性)は、すでに、欧米では制度として導入されており、我が国においても、環境省にて日本版WETと しての導入が検討されている。国立環境研究所環境リスク研究センターでは、生物影響試験の導入を検討している地方環境研究所や大学、企業を対象に、試験導 入を援助するためセミナーを開催してきたが、当社もセミナーを通じて生物影響試験法を習得し、さらに、生物影響試験の結果、生物に対する影響が認められた 場合の毒性同定評価(TIE:Toxicity Identification Evaluation)と毒性削減評価(TRE:Toxicity Reduction Evaluation)についても検討を進めてきた。本報では、当社の生物影響試験導入の経緯と、生物影響試験の事例、および、生物影響が認められた事例における毒性改善の検討について紹介する。

忘れてはいけない単位操作-実用粉もん技術-

<企画担当>
産業セッション委員会単位操作セッションWG
粒子・流体プロセス部会粉体プロセス分科会 共催

主な聴講対象者:製造,技術開発 管理者・担当者

2016年3月15日(火) [大会三日目]
13:00~15:00

化学産業で多用される粉体技術について、装置メーカーや化学企業の前線の方々から、閉塞、付着などのトラブル解決事例、設計、運転の思想また勘所などを発表頂き、現場で遭遇する様々な課題に対する解決のヒントを提供頂きます。

粉体ハンドリングにおけるトラブルと対策 日清エンジニアリング(株)
秋山 聡氏
粉体を取り扱うプラントの設計においては、粉体処理装置を中心に検討されることが多い。そのため、プラント立ち上げ時のトラブルは、それらをつなぐための貯槽、排出、輸送、供給などの粉体ハンドリング機器において発生する傾向がある。
粉体ハンドリング機器で発生するトラブルの要因はさまざまであるが、粉体物性に起因するトラブルが大きな割合を占めている。粉体は、同一の物質でも粒子径分布や雰囲気の温度、湿度などの取り扱い環境が異なると付着性、凝集性、流動性などが変化する。したがって、粉体ハンドリング機器の設計や選定の際には、実際に取り扱う条件において粉体特性を十分に調べる必要がある。
粉体貯槽の容器など、粉体ハンドリング機器の設計についての理論や設計式はいくつか提案されているが、特に数10μm以下の粉体では、それらを適用することは困難である。実際の設計では、それらの理論や設計式を基準とし、類似の経験や実験結果を考慮した修正を実施している。
本発表では、貯槽、輸送、供給などの機器で多く発生するブリッジ、閉塞、フラッシング、偏析のトラブルを防止するための機器の設計・選定の考え方および運転上の注意点について紹介する。
乾燥技術概論及び乾燥装置の選定 月島機械(株)
野口隆行氏
講演要旨をご覧ください
(2/28に参加登録者限定web公開予定)
粒子複合化技術と装置 ホソカワミクロン(株)
血原隆博氏
粒子複合化技術とは、異種類の粒子を一粒の粒子に変化させる技術であり、単一成分では得られない新機能の発現、新物質の創製を比較的容易に実現できることから、ナノパーティクルテクノロジーを新たにブレークスルーする手法の一つとして、大きな期待が寄せられている。例えばナノ粒子をマイクロメートルサイズの粒子と複合化すると、見かけの大きさがマイクロメートルオーダーとなり、そのハンドリング性が遥かに向上する。さらにナノ粒子がマイクロ粒子表面に分散されて固定化されるため、ナノ粒子の機能を発揮しやすくなる。そこで、粒子を乾式かつバインダー無しで複合化させることができる当社の技術・装置を紹介する。

安全確保の取り組みと現場力の維持向上

<企画担当> SCE・Net

主な聴講対象者:製造,技術開発 管理者・担当者

2016年3月15日(火) [大会三日目]
10:00~15:00

化学産業の現場は、現在多くの課題に直面しています。例えば、運転技術・知識の次世代への伝承、老朽化が進むプラントの診断・保全、安全の確保、保安事故の予防、品質の確保、競争力の強化等ですが、各企業は、これらを克服すべく独自の手法を開発・対応し或いは運動を展開しています。これらの事例を紹介いただくことにより、自社の活動に大変参考になると思われます。是非聴講頂きまして、他社の事例を自社の参考にして頂きたいと考えております。

ノンテク二カルスキル 旭硝子(株)
南川忠男氏
講演要旨をご覧ください
(2/28に参加登録者限定web公開予定)
推進運動の紹介「いいふれあい運動」 日揮(株)
西山文雄氏
従来、安全管理の施策は組織体制の強化をはじめ、管理システムの構築、要領書など文書化により明確にするなど、「技術管理面」を求められてきた。しかし、運用する側としては一様に「やらされ、義務感」の意識が先に立つ。ひと度、事故・災害が起きた職場では、再発防止への安全対策は管理面が不足と「管理」を強調し、改善を要求してきた。技術管理を強力に推し進めることにより、成果として事故・災害の削減に繋がるが、この施策に委ねると形骸化の方向に進み、安全活動には限界が生じ再発が危惧される。
当社が展開する「いいふれあい運動」とは、作業関係者の精神面に趣を置き、「自ら進んでルールを守る」自主性。「お互いを気づかい、働きかけ、感謝する」相手への思いやり。「一人ひとりがリーダーシップを発揮する」自ら自覚して変わること。すなわち技術面に対して、「精神面」に焦点を当てた取り組みは、凡ミスや品質向上にも大きな期待が持てる。
安全意識向上への体感研修の取り組み 凸版印刷(株)
緒方康成氏
凸版印刷は「事業活動を行うにあたり、最優先すべきは安全である」ことを宣言し、2010年9月に、トッパングループの従業員一人ひとりの危険に対する感受性を養うことを目的に、川口工場内研修所に体感型教育ができる「安全道場」を開設した。「見て、触って、学んで、考えて」をコンセプトに、安全道場で学んだ「痛い、危ない」ことを、従業員自ら安全に対する意識の向上と、安全道場で学んだ「安全対策」を自らが率先し、自職場での安全活動に活かしている。また、川口工場にて体感教育を受けられないエリア事業所の従業員に対しては、巡回用体感機(6装置2セット)を作成し、約2年間かけて「全国安全キャラバン」を実施した。これに伴い年々災害は減少している。
しなやかな現場力を支える安全マネージメント 立教大学
芳賀 繁氏
講演要旨をご覧ください
(2/28に参加登録者限定web公開予定)
次世代の予測技術診断「MTシステム」による現場力向上
~守りから攻めの現場への変革~
コニカミノルタ(株)
田村希志臣氏
昨今のセンシング技術、ICT技術のめざましい進化により、生産設備や装置から取得する状態データ、制御データは増え続けている。いわゆるビッグデータの波である。しかし、多くの現場では、膨大なデータを集めたは良いが、それをどのように活かしたら良いかわからず、途方に暮れているように見える。
こうした状況を打破するための最右翼技術として、品質工学が提案する予測診断技術「MTシステム」に注目が集まっている。これは独自のパターン認識方式によりビッグデータを一元化処理する技術であり、その応用範囲は極めて広い。現場の状態予測診断と意思決定支援に活用することで、単なる自動化にとどまらず、経験情報を技術者の能力に転換していくことも可能にする。今回は、MTシステムを活用してビッグデータを現場力強化に結びつける方法を提案したい。
生産現場の保全改革の取り組み 富士フイルム
エンジニアリング(株)
吉田信行氏
設備保全は、技術力不足によるメーカー依存度の増大、保全メンバーの高齢化や属人化、老朽設備の更新費用増大など多くの問題を抱えており、それらは多くの会社で共通の問題点となっている。これらの状況に対し、富士フイルムでは「設備の安定稼動と保全費削減の両立」を目指し、保全手法の改革や保全体制の改革、計画主導の保全などを行うことで、保全改革を推進し、徹底的な点検を進める技術の保全や、自前保全で設備の超延命化、保全教育による人材育成などの施策を進めてきた。また、自社で必要となった無線式振動計や保全情報システムも自前で開発した。これらの技術的ブレークスルーや設備診断の手法、機器・システム開発について、実際に実施した事例を交えて紹介する。
生産の現場を支える本社の役割 三菱ガス化学(株)
新保利弘氏
講演要旨をご覧ください
(2/28に参加登録者限定web公開予定)

ポスターセッション

忘れてはいけない単位操作
-実用粉もん技術-

<企画担当>
産業セッション委員会単位操作セッションWG
粒子・流体プロセス部会粉体プロセス分科会 共催

主な聴講対象者:製造,技術開発 管理者・担当者

2016年3月15日(火) [大会三日目]
15:00~17:00

化学産業で多用される粉体技術について、装置メーカーや化学企業の前線の方々から、閉塞、付着などのトラブル解決事例、設計、運転の思想また勘所などをポスターで発表頂きます。発表者と直接会話することにより、自部署の現場で遭遇する様々な課題に対する解決のヒントを見つけることができると思いますので、是非積極的に質疑応答を行って頂くことを期待いたします。

乾式分級における粉体の付着防止と分散促進日清エンジニアリング(株)
小澤和三氏
サブミクロン粒子やナノ粒子に代表されるように、粉体の小粒径化と均一な大きさの粒子に揃える単分散化への要求が高まっており、粒子径の違いを利用した特定成分の分離や濃縮、画質の向上、成型強度の向上、品質の安定化など、微細かつ均一な大きさの粉体にすることによる様々な効果が期待されている。しかしながら、従来の気流による分散や分級技術では、粉体の付着力の制御や気流の制御が困難といった課題があり、数μmまでの処理に限られていた。
本ポスターでは、均一な大きさのシングルミクロンからサブミクロン領域の粒子を効率よく分級するための基盤技術として、助剤を用いた分散の促進や付着防止技術について紹介する。
粉体トラブル防止装置(株)セイシン企業
高山貴夫氏
(株)セイシン企業では、粉体を貯蔵するホッパーや輸送する配管などの付着及び詰りのトラブルに対処できるような対策機器を製造・販売しており ます。ホッパーや詰まり防止の解消には衝撃を与えるエアーノッカーとエアー噴射タイプのジェットブラスターをご用意しております。また、配管の耐磨耗対策にはフレキシブルセラミックホースなどの製品をご用意しております。
固体表面に付着した微粒子の乾式除去技術岡山大学
後藤邦彰氏
高速気流を用いて固体表面に付着した微粒子状物質を乾式で除去するエアージェット法について、そのノズル出口形状が除去効率に及ぼす影響を検討した。 本研究では、10μm以上の粒子を対象とし、cmオーダーの距離にノズルを設置した場合について、スリット状ノズル、単円孔ノズル、および、多円孔ノズルで、除去効率を比較した。その結果、いずれのノズルで得られる除去率も、除去対象面上での気流動圧Pjと粒子径Dpから求められる除去指標PjnDpで整理でき、その指数nがノズル出口形状により異なることが明らかとなった。このようにノズル出口形状により,気流流速に依存する気流動圧の指数が異なることは,除去効果が時間平均的な気流流速以外の気流特性,例えば,気流の変動特性などにも依存することを示唆する。そこで、エアージェットの気流変動特性を制御することで、除去効果の向上を試みた。
カーボンブラックグリット除去技術についてホソカワミクロン(株)
上村富彦氏
カーボンブラックの低グリット化を目的として新開発した、分級機内蔵型粉砕機を始め、用途に応じたグリット量の製品を得るための機器紹介を行う。カーボンブラックは重油、石炭ガス、石油残渣等の燃料を反応炉で不完全燃焼させる事で製造されるが、製造時には微量の異物(グリット)が含まれる。カーボンブラックの一次粒子径は数~数100nmであるのに対し、グリットは数100μmであり、カーボンブラックを用いた製品の強度劣化や外観不良の原因となる。そのため、グリット量を用途に応じたレベルまで低減する事が必要となる。新開発粉砕機では、当社が培ってきた衝撃型粉砕機の経験を活かす事で、製作コストの削減と、カーボンブラックのグリット量を要求レベルにまで低減する事を可能とした。
空気輸送装置のトラブル事例とその解決方法アマノ(株)
西村 浩氏
現在、空気輸送装置を用いた粉体ハンドリングは産業界の多くの工場で用いられている装置形態の一つである。ここで搬送能力に代表されるような性能や機能性を確保し、トラブル無く、且つ安定的にこの装置を使用していくためには、トラブル防止を考慮した設計や運用を実施する必要がある。しかしながら粉体は、気体や液体とは大きく異なる粉体独特の特性を示すことが多いことから、取り扱いが容易ではなく、またしばしばトラブルを誘発することがある。ここで本件では空気輸送装置において発生しやすいトラブル要因やその対応方法例についての紹介をさせて頂く事とする。
スプレードライによる粉体の取り扱い大川原化工機(株)
小金井稔元氏
講演要旨をご覧ください
(2/28に参加登録者限定web公開予定)
乾燥装置における解析事例紹介(仮題)月島機械(株)
野口隆行氏
講演要旨をご覧ください
(2/28に参加登録者限定web公開予定)
濾過乾燥機の運転安定化と乾燥効率向上三井化学(株)
市橋佐恵氏
当工場で生産している粉体製品Aは、反応~晶析~ろ過・乾燥工程からなるバッチプロセスにて製造している。本プロセスでは、最終工程に濾過乾燥機を使用している。将来の需要増に対応すべく、既存の設備を活用した生産能力向上検討を行ったところ、ろ過・乾燥工程では新たな設備を追加することなく、現状設備のみで生産能力向上(乾燥効率向上)と運転安定化の目途を得た。具体的な改善ポイントは以下のとおりである。①ウェットケーキの含液率と乾燥時のダマ発生状況との関係性把握 ②所定の含液率までウェットケーキを液切し、ダマ発生を抑制した運転方法を確立(ろ過~洗浄~脱液・延展操作方法の見直し)③ウェットケーキの含液率低減と安定化により乾燥効率が向上し、1バッチあたりの仕込み量を増やした生産能力向上が可能となった。
中空シリカナノ粒子コンポジットフィルムの合成と特性評価広島大学
荻 崇氏
テンプレートを用いて安価なTMOSから中空構造を持つシリカナノ粒子を合成し、ポリマーとの複合化について検討した。合成した中空シリカナノ コンポジットフィルムについては、伝熱および光学特性を評価した。
工業用粉体塗料の粒径分布と塗装時の挙動について東亞合成(株)
丹羽 真氏
静電粉体塗装は、有機溶剤を用いないため環境に優しく、回収使用可能なため省資源なコーティング方法として工業塗装分野で広く認知されている。様々な複雑形状の対象物に対して均一な塗装仕上りが要求されるため、粉体塗料の粒径分布・形状・静電的なふるまいなどを理解し、それらをパラメータとして品質管理・製品保証することが必要である。本セッションでは、静電塗装時における粉体塗料の粒径分布の与える影響について事例紹介すると共に、「塗装性の高い塗料とは何か」について考えたい。
シリカへの機械的樹脂被覆における粉体物性の影響住友ベークライト(株)
山本修平氏
講演要旨をご覧ください
(2/28に参加登録者限定web公開予定)
CFDと品質工学を活用した粉体化粧料の分散性向上に関する検討花王(株)
坂本雅基氏
粉体化粧料の製造工程における油相混合工程を対象として、バルク分散性の評価方法とその最適化について流体シミュレーションと品質工学を活用して検討した。粉体化粧料の油相混合工程は高速粉体混合装置を用いて顔料に油相を混合するプロセスであり、製品の使用感向上の観点からバルクの分散性を向上することが重要となる。今回の検討では流体シミュレーションを用いた高速粉体混合装置の分散性能の評価を試みた。次いでこの評価方法を品質工学のパラメータ設計に用いて、高速粉体混合装置の構造がバルク分散性に与える影響を明らかにした。得られた結果に基づいて油相混合装置を用いた実物実験を実施した結果、パラメータ設計で得られた改善条件で粗粒量の低減効果を確認した。
SPS製造装置の研究と工業化(粉体床造粒技術)出光興産(株)
相田真男氏
講演要旨をご覧ください
(2/28に参加登録者限定web公開予定)
DEMによる振動搬送シミューションプロメテック・
ソフトウェア(株)
山井三亀夫氏
振動するコンベヤに粉体を載せて輸送する振動搬送は、搬送中に、粉体の乾燥・冷却、分級なども同時に行うことが可能であるため、省エネルギー化 に向けての有効な方法と考えられる。粉体の挙動は、ヤング率、反発係数、粒径サイズ・分布、表面状態、湿度、電荷状態などの多様な条件に影響を受 けるため、振動搬送の学術的な理解は十分には進んでいない。このように、複数の要因が複雑にかかわる現象を理解する上では、シミュレーションは有 効な解析ツールとなる。個別要素法(DEM)は、接触力、液架橋力、ファンデルワールス力、転がり抵抗などの寄与を考慮できるため、粉体の撹拌・ 混合などの現象解析に利用されている。現在、弊社では、開発中のDEM ソフトウェア(DEM Lab(デムラブ))を用いて、振動搬送中における粉体の挙動解析を進めている。ポスター発表では、そのパフォーマンスを紹介する。
粉体プロセス分野への生産技術適用事例(株)三菱ケミカル
ホールディングス
高橋沙綾氏
講演要旨をご覧ください
(2/28に参加登録者限定web公開予定)

安全確保の取り組みと現場力の維持向上

<企画担当> SCE・Net

主な聴講対象者:製造,技術開発 管理者・担当者

2016年3月15日(火) [大会三日目]
15:00~17:00

化学産業の現場は、現在多くの課題に直面しています。例えば、運転技術・知識の次世代への伝承、老朽化が進むプラントの診断・保全、安全の確保、保安事故の予防、品質の確保、競争力の強化等ですが、各企業は、これらを克服すべく独自の手法を開発・対応し或いは運動を展開しています。これらの事例をポスターで発表頂きます。発表者と直接会話することにより、自部署の現場で遭遇する様々な課題に対する解決のヒントを見つけることができると思いますので、是非積極的に質疑応答を行って頂くことを期待いたします。

現場力の維持向上-1 装置材料(SCE-Net)SCE・Net
梅村文夫氏
化学プラントでは、材料の経年変化による設備の漏洩や破損事例を、多数経験している。損傷に至った原因・メカニズムは腐食(全面腐食、孔食、隙間腐食)、応力腐食割れ(塩化物SCC、アルカリSCC)、水素脆化、疲労、腐食疲労、エロージョン、エロージョン・コロージョン、発火等多岐にわたる。このような損傷を二度と繰り返さないためには、損傷に至った経緯を、失敗事例として整理・体系化する必要がある。SCE・Netの装置材料研究会では、過去に生じた403件の装置材料にかんする損傷事例を収集・解析した事例集(CD版)を作製した。この事例集の特徴は、検索機能付きのキーワード(設備名、部品名、材料の種類、使用環境、損傷メカニズム等)が備わっており、必要とするデータを、瞬時に検索できる事である。ポスターでは、損傷事例集について紹介する。
現場力の維持向上-2 教育支援(SCE-Net)SCE・Net
中尾 眞氏
講演要旨をご覧ください
(2/28に参加登録者限定web公開予定)
地震対策への取り組み花王(株)
村井智明氏
花王のリスクマネジメント方針として、人命尊重,環境保護,操業維持,資産保持を掲げている。その対応の一つとして、地震対策を強化しており、国内工場の地震力対策,液状化対策,津波対策等を行っている。
地震力対策では、建屋の耐震補強,パイプラックの補強,設備機器の固定対策,天井の落下防止対策等を行っている。液状化対策では、高圧ガスなど重要貯槽への薬液注入対策や川崎工場では工場全域を対象にした地下水位低下工法を採用している。P波及びS波地震計による設備の停止を進めており、地震により火災・爆発及び重大事故に繋がる可能性がある高圧ガス設備,危険物,毒・劇物貯槽等への対応を実施済である。又、津波対策は、津波シミュレーションを行った後、建屋・貯槽の安全性評価を実施しており、津波による浸水の可能性があるエリアでは、電気盤のかさ上げ等の対策を実施している。
MT法による品質異常の予兆検知三菱化学(株)
山中翔太氏
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電流信号計測による回転機械の状態監視(株)高田工業所
劉 信芳氏
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「見て、触れて、体験する」技術研修センターの紹介三井化学(株)
菅 道春氏
三井化学技術研修センターは当社の生産現場力強化のため、製造オペレーターの人材育成を目的として、2006年10月に開講し、国内外の三井化学グループ全体の「安全を中心として、運転、設備に強い、自ら問題解決できる人材育成」を推進している。これまで社外(産官学)から多くの見学者を受け入れてきたが、社外からの高い評価と要請に応えて、2015年4月より、社外へも門戸を開き、産業界の安全確保に貢献すべく社外向け体験型研修の提供を開始した。「見て・触れて・体験する」ことを基本として、受講生が自分自身で考え、気づいてもらうことに主眼をおいた、「安全・運転・設備」に関する研修の概要を紹介する。
淡路サスティナブル・パークへの移転プライミクス(株)
銅 玲香氏
当社は2015年8月大阪市福島区から淡路夢舞台に本社を移転した。旧本社/工場の老朽化に伴い、埼玉工場と国内2工場を集約、生産の合理化を目的としたものである。職場と住居が共存した新しいワークスタイルが実現できると考え、「夢舞台サティスナブル・パーク」と命名された淡路花博跡地に本社/工場と社宅を建設した。空調、音響、園芸、食堂など細部にまでこだわった本社と斜面に建てられた社宅からは大阪湾を一望することができる。食料自給率も高く自然環境豊かなこの地において、エコロジカルで持続可能な企業を目指す
さび面補修剤 スーパーさびコートⅡ神東塗料(株)
内藤義巳氏
鉄鋼構造物の塗替え施工では、塗装前の素地調整程度(さびの除去程度)は塗膜の防食性に大きく影響する重要な要因である。一方、化学プラントや製鉄プラント等の塗替え施工の素地調整は、安全上の制約(火花を生じない)からさびの除去が十分に行えない手工具処理(スクレーパー・ワイヤブラシ・サンドペーパ等)による場合が多い。
スーパーさびコートⅡは素地調整後の固着した残存さびに対する浸透性と鋼面に対する化学的な防錆機能により鋼材の腐食の進行を著しく抑制することが可能である。
効果としては、腐食により鉄鋼構造物の安全性を損なう(座屈・破断・内容物の漏洩等)鋼材の板厚減少を著しく低減することが可能となる。
 スーパーさびコートⅡの腐食抑制メカニズムは、腐食が発生・進行する塗膜欠損部における薄膜水下において塗膜からスズイオンが溶出し、腐食性物質である水酸イオン(OH-)や塩化物イオン(Cl-)が鋼面へ吸着することを抑制することにより、鉄のアノード溶解を著しく抑制するためである。
音響診断技術開発旭化成エンジ(株)
迫 孝司氏
加工組立型プラントにおける生産設備は装置型プラントの設備とは異なり、小径の軸受が数多く設置されている設備やロボットなどの重要設備があるが、従来の振動診断の適用が困難である場合が多く、設備単位あるいはエリア単位でグローバルに状態監視を行い異常検知する方式が望まれる。これらの状態監視技術として、非接触で広範囲における異常検知が可能な音響診断法の開発を目指している。これまでに、FFT解析及び統計的多次元尺度構成(COSMOS)法を活用することで、異常軸受の差別化が出来る可能性を確認し、加速度値とCOSMOS距離の相対値に相関があることまで確認出来ている。現在は環境音の除去方法の検討や音響診断による判定基準の確立に向けた取り組みを行っている。
ダイナミックシミュレータを活用したESDデザイン横河電機(株)
竹中 梓氏
ESD(Emergency Shutdown, 緊急遮断)実行時、通常オペレータは多くの操作監視画面に分散した情報を確認しながらプラントの状況認識やオペレーションを行う。しかし、緊急時のこのようなオペレーションには、ミスオペレーションのリスク増加や復旧時間の長期化という問題点がある。
そこで本研究ではダイナミックシミュレータを活用したESDデザインを提案する。シミュレータを用いることでESD実行後の二次処置について検討し、合理的な運転設計を行うことが可能である。さらに、この運転設計をもとにESD実行時に必要な情報を集約した操作監視画面を作成し、オペレータの負担を軽減することができる。これにより前述の問題点を解消し、ESD実行時のより安全かつ迅速なオペレーションが可能になる。
現場力向上に向けた「人材教育」と「先取り安全」綜研化学(株)
赤城和幸氏
当社では事故防止のため、新規設備導入時に安全審査を行い、その中でリスクアセスメントを行っている。このリスクアセスメントは、実際に設備を使用する製造部員が中心となって実施している。使用者自身が行うことによりリスク低減策等において現場で培った経験、ノウハウが活用でき、また、このリスクアセスメントを通して若手への教育も期待できる。本ポスターでは当社での現場力向上に向けた取り組みについて紹介する。
危険感受性を高める体感研修住友化学(株)
坂井喜代己氏
火災爆発と労働災害を未然防止するために、ルール・指針などの座学に加え、体感研修を行っている。火災爆発を防止するため、火災爆発の怖さを実感として体得するように、混合危険、静電気・ガス爆発、着火・燃焼性、粉じん爆発、熱安定性の体感をさせる研修を行っている。また、労働災害を防止するために、危険感受性を向上させるように、不安全行動などの類似状況として、転倒、被液・吸引、墜落・救出、運搬、触診温度、はさまれ・巻込まれ、切創、指差呼称、電気を体感させる研修を行っている。
ヒドラジンなど脱酸素剤を使用しない最新水処理薬品(被膜形成アミン)栗田工業(株)
内田和義氏
従来、日本国内の産業用の発電ボイラには「脱酸素剤」「給復水系pH調整剤(中和性アミン)」「清缶剤(りん酸塩)」の3剤を用いた水処理が一般に実施されてきた。一方、欧州を中心に近年では脱酸素剤等を使用せず、「皮膜形成アミン(FFA:Film Forming Amine)」を含む1液の水処理薬品で処理する事例も増えてきている。
 皮膜性アミンは、発電ボイラの課題であった給復水系の腐食障害やスケール障害の更なる抑制が期待されると共に、発停頻度の多いボイラの停止時の腐食抑制や起動時間の短縮の効果が期待されている。
この最新のボイラ用水処理薬品の特徴と適用事例について紹介する。
軸封部交換容易な攪拌構造佐竹化学機械工業(株)
岡本昌宏氏
気密性が重要な撹拌槽で使用する撹拌機では、軸封部となるメカニカルシールは重要な装置です。万一のトラブルや定期点検時の分解・組立には人手や重機器類等が必要となる上にミスも起こしやすく、正確な作業にはスキルも必要となります。そこでサタケでは誰もがより安全に、且つより効率的に作業ができるよう、撹拌槽から撹拌機を取り外すことなくメカニカルシールの交換が出来る構造を有した撹拌機を各種ラインナップしています。またメカニカルシールのみならず、オイルシール、グランドパッキンシール、ウォーターシール等多彩なシールもご用意しています。撹拌機のメンテナンス性向上、漏れ対策もサタケにお任せください。
ノンテク二カルスキル旭硝子(株)
南川忠男氏
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推進運動の紹介「いいふれあい運動」日揮(株)
西山文雄氏
従来、安全管理の施策は組織体制の強化をはじめ、管理システムの構築、要領書など文書化により明確にするなど、「技術管理面」を求められてきた。しかし、運用する側としては一様に「やらされ、義務感」の意識が先に立つ。ひと度、事故・災害が起きた職場では、再発防止への安全対策は管理面が不足と「管理」を強調し、改善を要求してきた。技術管理を強力に推し進めることにより、成果として事故・災害の削減に繋がるが、この施策に委ねると形骸化の方向に進み、安全活動には限界が生じ再発が危惧される。
当社が展開する「いいふれあい運動」とは、作業関係者の精神面に趣を置き、「自ら進んでルールを守る」自主性。「お互いを気づかい、働きかけ、感謝する」相手への思いやり。「一人ひとりがリーダーシップを発揮する」自ら自覚して変わること。すなわち技術面に対して、「精神面」に焦点を当てた取り組みは、凡ミスや品質向上にも大きな期待が持てる。
保全情報マネジメントシステムと無線式振動データ収集システムの御紹介富士フイルム
エンジニアリング(株)
石野昌裕氏
富士フイルムでは「設備の安定稼動と保全費削減の両立」を目指した保全改革を推進する中で、徹底的な点検を進める技術の保全を進めてきた。その過程で、従来使ってきた忘れ防止機能中心の保全情報システムでは物足りなくなり、設備管理に必要なあらゆる情報を一元管理できる保全情報マネジメントシステムKARTEMIXを自社で開発して運用を開始。また、振動点検の簡便化も不可欠となり、巡回だけで振動測定ができる無線式振動データ収集システムROUNDCHECKも自社開発しており、これらの機器・システム開発について紹介する。
熱媒体油使用設備の設備診断事例のご紹介綜研テクニックス(株)
小林敏男氏
当社は、熱媒システム事業(熱媒体、熱媒ヒーター)、装置システム事業(プラント、オリジナル装置)、メンテナンス事業を3本柱として事業展開を図っている会社です。
今回は、300[℃]前後の高温で使用される熱媒体を加熱する熱媒ヒーターや、加熱された熱媒体を使用する反応缶等の熱媒体使用設備のヒートサイクルによる損傷や、使用している熱媒体の劣化を早期に発見し、事故を事前に防止して安全操業を確保するために実施している設備診断事例の概要についてご紹介させていただきます。
「化学工学学習設備」と「訓練プラント」を活用した研修の紹介出光興産(株)
橋本昌樹氏
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ポジティブ安全活動(株)カネカ
中東奈美枝氏
弊社は過去の重大事故・災害の経験を活かすべく、2009年より全社で『安全再構築』に取り組んできた。高砂では、安全文化醸成をメンバーで討議して「3つの基軸(3S・挨拶・手摺持ち)」を定め安全活動に取り組んでいる。しかし、工場では未だ事故が後を絶たない。そこで、「褒めること・対話」によって、安全活動が自主的で前向に進化していくよう『ポジティブ安全活動』を開始した。
ポジティブ安全活動とは「よい活動を褒める」ことを始めとして、活動の軸を「対話によるメンバーの納得」に置き、安全担保のためのルール作り、異常対応力強化(安全機能無効化RA)、スターポイント制度等の様々な活動に活かそうとしている。特にこの2年間の安全教育では、少人数グループでの全員教育を実施して、工業所員の意識変革に取り組んだ。 現在の安全活動をより活性化させるために行っているポジティブ安全活動について紹介致します。


©2015 The Society of Chemical Engineers, Japan

Last modified:2016/3/4