今井正直(日本大)・渡辺晋次(森永乳業) |
食品工学の最近の進展は,安全性と共に食品製造の連続化とエネルギーコストの低減に向けられている。また,国際的な競争力を維持するためには,グローバル化する食の製品基準を満たす留意を欠くことはできない。一方,消費心理として,単に空腹を満たすだけの食から,食の機能性を重視し,予防医学的な観点もと入りいれた食品の開発競争が高まっている。この度のシンポジウムにおいては,高度化する食品製造に掛る工学的な側面と共に,消費者の心理傾向,並びに予防医学的な観点から将来的に進展が期待されている各種機能性食品のあり方について,最新の研究成果とともに議論を展開して,食品産業の進展の上で果たすべき化学工学の役割を展望してゆきたい。