特別シンポジウム


第47回秋季大会(2015年、北海道大学)から開催している特別シンポジウムを本大会でも実施します。
最新の注目テーマを、各界最前線でご活躍されている方からご説明いただき、議論します。

ご期待ください!


ライフ分野の社会実装技術

バイオ部会社会実装学創成研究会

9月20日(水)大会一日目 S会場 10:00-15:40

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オーガナイザー
長森英二 大阪工業大学
杉浦慎治 (国研)産業技術総合研究所
井藤 彰 九州大学
中川究也 京都大学

本邦の科学技術政策からの要請もあり,近年,研究成果の迅速な社会実装が求められています。化学工学会においても社会実装の重要性が認識され,昨年度,社会実装学創成研究会が設立されました。本シンポジウムでは,化学工学関連のライフ分野のモデルケースとして,当該分野で社会実装を目指して研究開発および事業展開を進めている先生方に,研究開発および事業展開の取り組みの概要をご紹介頂きます。講演はバイオプロダクションから医療応用までライフ分野の幅広い領域のトピックスを対象としますが,シンポジウム全体をとおしてライフ分野の社会実装研究が抱える課題の共通点を探り,ライフ分野の社会実装研究のあり方について議論を深めることを目的とします。大学および企業において社会実装を目指して研究を行っている研究者,これから実用化を目指す若手研究者・中堅研究者に向けたメッセージを含めてご講演頂く予定ですので,産,官,学,様々な立場からの皆様の積極的な参加を期待します。

化学プラントのスマート化

システム・情報・シミュレーション部会安全部会

共催:日本学術振興会プロセスシステム工学第143委員会

9月20日(水)大会一日目 AA会場 13:00-17:00

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オーガナイザー
山下善之 東京農工大学
平尾雅彦 東京大学
渕野哲郎 東京工業大学
原 智明 経済産業省

情報通信技術の進歩にともない,社会は急速に変化しており,第4次産業革命や人工知能などが日常的な話題となっています。化学産業に関連する現場においても,IoTやAI,ビッグデータ解析が徐々に導入されてきています。これらの技術によって,さまざまな情報をリアルタイムに取得・共有・解析することができるようになり,具体的な成果を挙げている事例が増えてきました。しかし,一方では,これらの技術に取り組めていない企業も多いのが現状です。そこで,製造現場の安全性と収益性を向上させるために,どのような技術をどのようにして導入したのかについて具体的な事例を中心に紹介し,これからスマート化を進める際の方法と課題を明らかにします。

食料に関わる高付加価値化および循環資源化に対する
亜臨界・超臨界・高圧流体の可能性

超臨界流体部会バイオ部会

共催:日本食品科学工学会日本食品工学会

9月21日(木)大会二日目 S会場 9:00-15:50

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オーガナイザー
渡邉 賢 東北大学
川尻 聡 (株)竹中工務店
長田 光正 信州大学
佐々木 満 熊本大学
橋本 篤 三重大学

食は生命維持に欠かすことができない栄養・カロリー源であると同時に,健康長寿を支える生体調節機能に働きかける媒体として捉えることができます。近年,食生産において,単位時間・単位面積あたりの生産量を増やすといった高効率化の試みと同時に,素材の栄養や機能を増進させるための生産環境の制御なども精力的に試みられています。さらに,食の地域・季節の偏在性や需給のアンバランスによる損失を解消するために冷凍・貯蔵,長期輸送にも高い関心が寄せられています。総じて,食の生産現場では,受動的かつ低効率な生産体制から,文化的側面や消費者の嗜好を考慮しつつ,確かな経済性ならびに生産計画に立脚した能動的かつ高効率な工業的生産体制へと変貌を遂げようとしています。
 生産物の高度利用に着目すると,農林水産物の流通のみに止まらず,生産者が積極的に未利用物を加工し付加価値をあげ,同時に損失を低減し収益性を向上させる,6次産業化を目指す動きが活発化しています。食品加工においては,味やテクスチャーに加え,生体調節・強化に着目した機能を向上することで需要を喚起し,収益性を向上させる試みがなされています。さらに,廃棄される各種残渣から肥料や燃料を生産する循環資源化の試みや,ナノファイバーに代表される新素材としての利用も含めた研究開発も活況を呈しています。いずれの試みや研究開発においても化学工学が果たす役割は極めて重要です。
 本シンポジウムでは,部会や学会,産官学の垣根を超え,食に関わる技術や資源の現状や将来を全体俯瞰すべく政策や全世界的な食料確保,フードロスに対する技術開発の必要性や資源循環性などを論じた上で,超臨界流体や超高圧技術の適用に対し基礎,応用,実践などの様々な観点から有用性ならびに可能性を論じたいと考えています。


©The Society of Chemical Engineers, Japan