第47回秋季大会(2015年、北海道大学)から開催している特別シンポジウムを本大会でも実施します。
最新の注目テーマを、各界最前線でご活躍されている方からご説明いただき、議論します。
ご期待ください!
「社会実装学研究会」
〜社会実装への化学工学の挑戦〜
9月18日(水)大会一日目 9:00-17:30 (予定)
オーガナイザー | |
中川 究也 | 京都大学 |
松本 泰正 | 花王(株) |
化学工業に関わる膨大な研究開発の成果は,要素技術として多かれ少なかれ産業へと実装されてきました。近年,第四の産業革命を目指す動きが世界的に見られる中,より俯瞰的な視点をもって新たなイニシアティブを立ち上げるのは化学工学者であると信じます。急激な社会の変化は,より複雑な要請を科学技術に求めます。製造に関わる課題は多元的かつマルチスケールとなり,製品に求められる価値,機能,品質は個別的かつ曖昧です。技術の善し悪しの判断を単視眼的に下すことの意義は薄れ,それを享受する社会や個人の特性を見て決めることの重要性が増してくるでしょう。本シンポジウムでは,「社会実装学」という,「技術を社会に実装するための新しい学問領域」を化学工学に加えるための議論を行います。
特別シンポジウムと銘打っておりますが,一般講演を広く募集し,技術を社会に実装するためのヒントとなる研究成果,事例,コンセプトの発表の場を設けます。口頭発表の後に懇親会(簡単な飲食付き)を兼ねたポスター発表会も実施いたします。ざっくばらんな意見交換の場として,みなさまの積極的なご参加をお待ち申し上げております。
講演予定
- 展望講演
SATREPSプログラムによるタイ国との国際共同研究 - 京都大学 三浦 孝一氏
- 他に、一般講演を含めて複数のテーマを予定
講演予定(全案件)
- 社会実装プロセスにおける課題:
アンケート調査によってみえてきた障壁と成功への鍵の姿とは - 東北大学 福島 康裕氏
京都大学 中川 究也氏
花王(株) 松本 泰正氏 - 不安定電源の国内大量導入に向けた新規負荷変動吸収システムの概念設計
- 物質・材料研究機構(NIMS)/信州大学/広島大学 古山 通久氏
東京大学/物質・材料研究機構(NIMS) 菊池 康紀氏
広島大学 市川 貴之氏
東京大学 杉山 正和氏 - 蓄電池を活用した再エネ水素製造システムの技術経済分析
- 東京大学/物質・材料研究機構(NIMS) 菊池 康紀氏
広島大学 市川 貴之氏
東京大学 杉山 正和氏
物質・材料研究機構(NIMS) 古山 通久氏 - リチウム空気電池内の物質移動の観点からみた技術経済的評価
- 物質・材料研究機構(NIMS) 安久 絵里子氏・ 古山 通久氏
- 汚泥灰からリン回収率85%のリン系肥料の直接製造と残渣の無害化プロセスの開発
- 新潟大学 金 熙濬氏・ 狩野 直樹氏
- 複雑流体を扱うプロセスに対する合理的な設計論の構築に向けた基礎的課題と対策
- 静岡県立大学 増田 勇人氏
徳島大学 太田 光浩氏
神戸大学 大村 直人氏 - 食品の適温流通に向けた可食性蓄熱材の可能性
- 京都大学 小林 敬氏・ 中川 究也氏
- 事業実装へ向けたビール工場排水処理副生メタンガスを用いたSOFC発電試験
- アサヒグループHD(株) 川村 公人氏・ 竹田 健一郎氏・ 神田 智正氏
九州大学 谷口 俊輔氏・ 佐々木 一成氏 - 多雪都市における雪冷熱利用と除雪負荷低減の可能性
- 山形大学 樋口 健志氏・ 朝比奈 一磨氏・ 髙木 彩絵氏・ 菅原 佳奈氏・ 上野 敏輝氏
- 展望講演
SATREPSプログラムによるタイ国との国際共同研究 - 京都大学 三浦 孝一氏
- イオン交換樹脂法によるバイオ燃料製造技術の種子島での導入事例
- 東北大学 北川 尚美氏
NPO法人こすも 松岡 拓郎氏
東北大学 加藤 牧子氏・ 廣森 浩祐氏・ 福島 康裕氏 - オミクス技術を石油産業に実装しつつある実態
- (一財)石油エネルギー技術センター(JPEC) 豊岡 義行氏
- 太陽光発電と水素蓄エネを用いたコスト競争力のある分散型エネルギーシステムの提案
- 東京工業大学 大久保 辰哉氏
東京工業大学/東京大学 清水 輝之氏
東京工業大学 長谷川 馨氏
東京工業大学/東京大学 菊池 康紀氏
東京工業大学 伊原 学氏 - エネルギーキャリア関連技術の社会実装に向けた地域別導入分析
- 東京大学 清水 輝之氏・ 菊池 康紀氏
- 技術の社会実装を支援する情報基盤
- 東京大学 兼松 祐一郎氏・ 大久保 達也氏・ 菊池 康紀氏
- 計量書誌分析に基づく技術システムの社会実装に必要な要素の特性化
- 東京大学 菊池 康紀氏
- ビジョンの実現を志向した演繹的プロセス開発手法:
水素を用いるバイオ燃料製造プロセスの簡易的デモンストレーション - 東北大学 大内 翔氏・ 福島 康裕氏・ 大野 肇氏
- コヒーレントな技術ロードマップの作成に向けた課題
- 東北大学 福島 康裕氏
地方発・民間主体による次世代エネルギー社会への変容のためのキードライバ
9月19日(水)大会二日目 9:30〜14:40 (予定)
オーガナイザー | |
中垣 隆雄 | 早稲田大学 |
古山 通久 | 物質・材料研究機構 |
大規模集中型から小規模自律分散型の次世代エネルギーシステムへ移行しようとするメガトレンドの中,地域の課題をビジネスチャンスに変え,これまでの延長線上にはない持続可能な社会へと変容していくことに大きな期待が寄せられています。そのためには,様々な関連主体の中からイニシエータが登場してエコシステムを構築し,破壊的イノベーションにつなげていくことが望まれ,これからの日本の経済競争力の維持・向上にとっても必要となります。本シンポジウムでは新たな価値観の下で,この社会変容の契機となる地方発・民間主体のキードライバについて,識者の講演を通して参加者とともに考える機会を持ちます。化学工学の研究者・技術者に対して,社会経済学的視点から重要な示唆や気付きをいただくことを企図していますので,部会を問わず幅広いご参加を期待しております。
講演予定
- 新国富論、新たな経済指標による地方創生論
- 九州大学 馬奈木 俊介氏
- 地産地消のエネルギーと経済還流
―公共施設等先進的CO2排出削減対策モデル事業(環境省補助事業)― - 九州大学 原田 達朗氏
- 行動科学からみた省エネ・環境配慮行動の促進:ナッジ理論の活用例
- (一財)電力中央研究所 西尾 健一郎氏
- 南九州のエネルギーの状況とEV普及の可能性について
- 鹿児島大学 市川 英孝氏
- 総合討論
二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)のための化学工学
共催:
一般社団法人 触媒学会,
一般社団法人 水素エネルギー協会,
公益社団法人 石油学会,
一般社団法人 日本エネルギー学会
9月20日(木)大会三日目 10:00〜16:20 (予定)
オーガナイザー | |
川波 肇 | (独)産業技術総合研究所 |
佐藤 剛史 | 宇都宮大学 |
CO2排出削減が多方面で推進されるなか,火力発電等から発生したCO2の回収・貯留・利用(CCUS)が課題となっています。また最近では,経済産業省と米国エネルギー省との間でCCUSに関する覚書が締結されるなど,CCUSの技術開発が重要になっています。CCUSが関連するプロセス開発において,CO2回収や固定化,CO2利用といった個々の技術における基礎や最新情報を把握することは極めて重要です。
本シンポジウムでは,CO2回収から利用への流れに沿って,基礎から実用化に至るまでのいくつかの実例と研究例を紹介いたします。特に,CO2利用に関しては,無機物合成,有機化合物合成,燃料への利用などに精通された方々にご講演を頂きます。本シンポジウムが,今後の低炭素化,脱炭素化,炭素循環に向けた社会構築のため,化学工学に携わる我々がCCUSに如何に向き合い,具体的にどう取り組むべきかを考えるきっかけになることを期待しております。
講演予定
- 火力発電所における省エネルギー型二酸化炭素分離回収実用化試験について
- 関西電力(株) 小堺 瑛氏
- 二酸化炭素を用いた鉄鋼スラグからの機能性粒子の合成と二酸化炭素の固定化
- 日本大学 遠山 岳史氏
- CO2からのメタノール合成に特化した触媒の開発
- 東京大学 多田 昌平氏
- 旭化成における水電解システムの開発動向とCCUSでの取り組み
- 旭化成(株) 臼井 健敏氏
- 人工光合成の研究:太陽光と水とCO2で有機物を合成する技術のこれまでと今後
- (株)豊田中央研究所 森川 健志氏
- 水素貯蔵を志向した二酸化炭素からのギ酸合成とギ酸からの水素発生
- (独)産業技術総合研究所 姫田 雄一郎氏
- 生体触媒を利用した二酸化炭素の物質変換
- 大阪市立大学 天尾 豊氏
- CCUSと化学工学の将来への展望
- (独)産業技術総合研究所 原田 亮氏
炭素循環社会構築に向けての技術展望と課題
−本部産業界交流委員会活動報告
9月18日(火)大会一日目 13:00〜15:40 (予定)
オーガナイザー | |
林 潤一郎 | 九州大学 |
前 一廣 | 京都大学 |
本会の産業界交流委員会は,化学工学会・法人会員企業(32社)の方々にご参集いただき,今後の化学産業,産業人材育成,化学工学のあり方等について議論をしてまいりました。そのなかで,2017年度には,将来に実現すべき炭素循環社会,そして2050年までの二酸化炭素排出80%削減に向けて必要となる新技術,有望と期待される技術やシステムを提案,提示すべく,参画企業の技術者が五つのワーキンググループを構成し,電池(蓄電),廃棄物・燃焼,バイオプロセッシング,C1化学およびIoT技術をキーワードとする検討を実施しました。
本シンポジウムでは,上記ワーキングループの活動報告を行い,併せて本委員会・委員長(前 一廣氏)による委員会活動の総括的報告,副委員長(林 潤一郎氏)による炭素循環社会に資する炭素資源変換利用技術のあり方と新技術システムに関する提案を行います。総合討論の時間も設け,炭素循環社会実現のための技術に関する知見や考え方を共有したいと考えております。本シンポジウムへの各位のご参加と討論を期待しております。
講演予定
- 本部産業交流委員会活動の趣旨および活動報告
- 京都大学 前 一廣氏
- 炭素循環社会における炭素資源利用と化学生産
- 九州大学 林 潤一郎氏
- 燃料電池を活用した基幹化成品・電力コプロダクション
- 東洋エンジニアリング(株) 吉田 延弘氏
兵神装備(株) 大東 眞二氏
石原産業(株) 石灰 洋一氏
住友化学(株) 伊美 勝治氏・ 上田 和正氏 - バイオプロセッシング技術の展望と課題
- 協和発酵バイオ(株) 日比 一雄氏
サッポロホールディングス(株) 中村 剛氏
コスモエンジニアリング(株) 森田 敏靖氏
木村化工機(株) 池田 博史氏 - C1化学技術の展望と課題
- 三菱ケミカル(株) 久次米 正博氏
(株)IHI 澤 公博氏
JNC(株) 成田 憲昭氏
新日鐵住金(株) 堂野前 等氏
旭化成(株) 小杉 裕士氏
宇部興産(株) 山本 祥史氏
日揮(株) 本田 一規氏 - IoTを活用した化学産業技術の展望と課題
- 千代田化工建設(株) 渡辺 恒男氏
旭硝子(株) 成毛 功氏
東洋エンジニアリング(株) 栃原 平祐氏
ホソカワミクロン(株) 笹辺 修司氏
日本ゼオン(株) 安藤 哲也氏
(株)構造計画研究所 島田 憲成氏 - 炭素循環社会構築に資する化学産業技術に関する総合討論